DOKONI IKOUKA(前編)
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〜77年(6線)

01 赤羽 不明     02 高崎 68年8月  03 山手 72年頃 

04 日光 74年8月  05 飯田 77年3月  06 日中 77年8月



78年(8線)

 07 青梅  5/13  08 大村  7/19  09 佐賀  7/21

 10 日南  7/27  11 志布志 7/27  12 高千穂 7/29

 13 日豊本 8/1   14 御殿場11/11             

初めての一人旅。そして国鉄完乗を決意。



79年(49線)

 15 外房  1/3   16 内房  1/4   17 上越  1/31

 18 越後  2/1   19 白新  2/2   20 磐越西 2/2 

 21 磐越東 2/2   22 氷見  3/8   23 城端  3/8 

 24 富山港 3/9   25 能登  3/10  26 北陸本 3/13

 27 越美北 3/14  28 神岡  3/15  29 高山本 3/15

 30 身延  3/27  31 小海  3/27  32 篠ノ井 3/28

 33 常磐  7/21  34 仙石  7/21  35 陸羽東 7/22

 36 仙山  7/22  37 岩泉  7/24  38 宮古  7/25

 39 山田  7/26  40 釜石  7/26  41 大湊  7/27

 42 大畑  7/27  43 五能  8/1   44 黒石  8/2 

 45 奥羽本 8/5   46 石巻  8/5   47 北上  8/5 

 48 男鹿  8/6   49 陸羽西 8/7   50 東北本 8/7 

 51 只見  8/16  52 大糸 10/21  53 魚沼 10/21

 54 信越本12/16  55 弥彦 12/16  56 羽越本12/16

 57 赤谷 12/16  58 米坂 12/17  59 長井 12/17

 60 左沢 12/18  61 丸森 12/18  62 水郡 12/19

 63 五日市12/29                          

北陸・東北へ



80年(22線)

 64 川越  1/15  65 横浜  2/19  66 八高  2/19

 67 足尾  2/19  68 両毛  2/19  69 水戸  2/19

 70 岡多  3/11  71 武豊  3/11  72 太多  3/11

 73 越美南 3/11  74 東海道本3/12  75 樽見  3/12

 76 明智  3/13  77 中央本 3/13  78 横須賀 3/18

 79 伊東  3/18  80 清水港 3/18  81 二俣  3/19

 82 飯山  3/22  83 吾妻  5/5   84 木原  7/16

 85 会津  8/10                          

東海・関東近郊 あまり乗れなかった。



81年(26線)

 86 信楽  3/12  87 三木  3/13  88 北条  3/13

 89 鍛冶屋 3/13  90 加古川 3/13  91 倉吉  3/14

 92 宮津  3/14  93 舞鶴  3/15  94 福知山 3/15

 95 桜島  3/15  96 大阪環状3/15  97 奈良  3/15

 98 若桜  3/16  99 因美  3/16 100 津山  3/16

101 高砂  3/16 102 鶴見  6/28 103 南武  6/28

104 阿仁合10/11 105 花輪 10/11 106 田沢湖10/11

107 矢島 10/12 108 角館 10/12 109 気仙沼10/14

110 大船渡10/15 111 盛  10/15             

浪人中にもかかわらず、関西・東北



82年(47線)

112 千歳  3/17 113 鹿島  5/27 114 総武本 5/27

115 成田  5/27 116 小松島 8/18 117 高徳本 8/18

118 宇野  8/18 119 室木  8/18 120 長崎本 8/19

121 佐世保 8/19 122 漆生  8/19 123 上山田 8/19

124 香月  8/19 125 篠栗  8/19 126 勝田  8/19

127 添田  8/19 128 糸田  8/19 129 筑肥  8/20

130 唐津  8/20 131 松浦  8/20 132 甘木  8/21

133 矢部  8/21 134 宮原  8/21 135 高森  8/21

136 山野  8/22 137 吉野  8/22 138 大隅  8/22

139 宮之城 8/22 140 妻   8/23 141 鹿児島本8/24

142 筑豊本 8/24 143 後藤寺 8/24 144 宮田  8/24

145 伊田  8/24 146 田川  8/24 147 関西本 8/25

148 草津  8/25 149 姫新 10/3  150 境  10/4 

151 三江 10/5  152 福塩 10/5  153 大社 10/6 

154 木次 10/7  155 芸備 10/7  156 呉  10/7 

157 赤穂 10/8  158 播但 10/8              

九州・中国



83年(47線)

159 根岸  3/9  160 阪和  3/10 161 紀勢本 3/10

162 和歌山 3/10 163 桜井  3/10 164 片町  3/10

165 湖西  3/10 166 小浜  3/10 167 美祢  3/22

168 山陰本 3/22 169 山口  3/22 170 宇部  3/22

171 小野田 3/23 172 岩徳  3/24  再  東海道本3/26

173 岩内 10/5  174 胆振 10/5  175 万字 10/5 

176 白糠 10/6  177 標津 10/6  178 士幌 10/7 

179 広尾 10/7  180 日高本10/7  181 室蘭本10/8 

182 札沼 10/8  183 天北 10/9  184 宗谷本10/9 

185 美幸 10/9  186 池北 10/10 187 釧網本10/10

188 石北本10/10 189 歌志内10/11 190 函館本10/11

191 根室本10/11 192 富良野10/11 193 留萌本10/12

194 深名 10/12 195 石勝 10/13 196 富内 10/13

197 幌内 10/13 198 興浜北10/14 199 興浜南10/14

200 渚滑 10/14 201 名寄本10/14 202 湧網 10/14

203 相生 10/15 204 羽幌 10/16 205 瀬棚 10/16

いよいよ正念場 北海道をつぶす。



84年

206 松前  1/15 207 江刺  1/15 208 津軽  1/16

209 久慈  1/16 210 八戸  1/16  再  中央本 3/14

211 伊勢  3/14 212 名松  3/14 213 七尾  3/15

214 参宮  3/16 215 真岡  3/20 216 烏山  3/20

217 武蔵野 3/30 218 久留里 3/31 219 相模  3/31

220 東金  9/26                          



1984年10月4日22:00@東京駅八重洲東口

 ハイウェイバス乗場には、すでに大阪行ドリーム号3台が横付けされていた。見ると3号車は、国鉄自慢の新型デッカー車でらう。う〜む、あいつに乗りたいもんだと思ったが、生憎僕のバスは2号車。残念無念。入口の係員に指定券を見せてバスに乗り込む。もう3割位の席が埋っていた。サラリーマンとおぼしき背広姿の人が多い。皆夜行バスには慣れている様子で、カバン1つに週刊誌と言った出で立ちだ。突然、入口の方からにぎやかな声が聞こえてきた。大学生の女の子2人連れとは、ドリーム号には珍しい。どうせ軽い好奇心から乗ってみようと思ったんだろうけど、後で後悔したろうな。東京−大阪の9時間は、並の人間にはかなりシンドイもん。どこぞの天文サークルあたりで鍛えてあるんならともかく。
(注:この頃の夜行バスは路線も少なく、車両もボロかった)

 そうこうするうち発車時刻も迫り、席は続々埋って行った。窓の外には、キャンセル待ちの人々の不安そうな目。甘いよ。大阪行ドリーム号だぜ。最低3日前には予約しとかなきゃ。結局4人くらいは座れたみたいだったけど、残りの人はどうしたんだろう。まあ「銀河」か「345M+こだま351」なら、8時に大阪に着くけどね。そういや2年前に同じ大阪行に乗った時も、おんなじ事考えたっけ。あの日は荷造りに手間取って、東京駅に着いたのが発車3分前。我ながらよく間に合ったもんだと思う。京浜東北線の中で乗り遅れた場合の事を、あれこれ時刻表と相談したね。それから2年。あの夜は冷たい雨が降っていたけど、今日は快晴。あの夜は右の窓側の席だったけど、今夜は左の窓側。あの夜は隣は空席だったけど、今夜の隣席には50歳くらいのオッサンが座っている。ずいぶん長い間旅してきたけど、隣に美人が・・・ なんて事はないねえ。新幹線にでも乗ればチャンスも増えるんだろうけど、毎度夜行ばっかりだからなあ。

 22:00定刻に発車。首都高速から東名へ。やっと、ここまで来たよ。国鉄完乗なんて馬鹿なことを決心したのは、78年の9月。僕が高1の時。1学年上の旅好きな先輩に「お前、国鉄に何キロ乗ってる?」と問われたのが全ての始まり。当時、僕の乗車キロは約2千。一方その先輩は4千キロを超えていた。「俺は将来、国鉄全線に乗ってやるんだ」と夢を語る先輩に、つい「よ〜し、僕も」などと思ってしまった。相手は241線・2万1千キロもあるってのに、こっちはたったの2千キロ。全線完乗した線区、わずかに13。ほとんどドン・キホーテや。

 以来、あっちゃからこっちゃへ。こっちゃからあっちゃへを繰り返して6年。昨日までの乗車キロ 19607.5km。乗車線区、220。残っているのは、中国・四国・九州に、22線区(うち一部乗車線区8)。1325.0kmのみ。そしてこれも、この旅でばくなる。とにかく今は、早く終わらせたいだけ。バスは時速100kmで、闇の中を駆けて行く。

  


10月5日  乗車船時間 4日=1:40 5日=17:41

東京22:20(ドリーム1号)7:00大阪7:08(727M)7:49兵庫7:59(527レ8:05和田岬8:29(530レ)8:35兵庫8:41(1735M)9:41姫路9:44(443M)11:08岡山11:18(743D)11:55総社12:10(943M)12:37備中高梁12:49(976M)13:44岡山14:13(3133M)14:46宇野14:54(15便)15:54高松16:05(阿波11号)17:21池谷17:42(746D)18:01鳴門18:06(452D)18:26池谷18:32(349D)18:49徳島21:47(557D)23:45牟岐

 0:00、足柄SA着。昼間だとここのフライドチキンが美味なのだが、この時間では売店は開いていない。仕方がないので、自動販売機でカップラーメンを買う。今夜は星がきれいだ。ちょっと寒いけど。明日の晩(もう今日か)は野宿なので、このまま天気が続いてくれると嬉しいんだけど、天気予報は気圧の谷の接近を告げている。どうなるのかねえ。0:15、SA発。昼寝をしすぎたせいか、あまり眠くない。窓にもたれて、インターチェンジの標識が流れて行くのは眺める。東名日本平で運転手が交代。三ヶ日SAで休憩...。

 はっと目が醒めたら、名神多賀のSAに着いていた。バスと言うと、せまっ苦しく感じられるかも知れないけれど、リクライニングは付いてるし、14形客車なんかよりはよっぽどいい。時刻は5時。車内は寝静まっていて、外に降りる人も少ない。空はもう青さを取り戻していて、東の地平線は赤く染まっている。明け始めた空の下をバスは快調に飛ばす。名神高速を降りて、太陽の塔を横目に見、大阪着7:00。40分の早着。

 慣れた駅とて迷うはずもなく、7:08の姫路行に乗る。朝のラッシュ時とは言え、下り、しかも阪急・阪神との平行区間とあって、車内には空席すらある。7:43兵庫着。山陽本線和田岬支線に乗り換える。こいつは、兵庫−和田岬2.7kmを結ぶ盲腸線。列車は、朝5往復・夜6往復だけ。9時から16時までは1本もない。しかも休日は、朝夕各1往復だけになる。実は2年前に、こいつに乗る為に、今日と同じようにして兵庫まで来たんだけど、着いてから「しまった! 今日は日曜日だ!!」

 和田岬線ホームは人で一杯。列車が入って来た。車両は、全国でもここだけと言う、超珍品スハフ64。イスをほとんど取っぱらった、文字通りのハコの中は、通勤客で満員。5分程ゆられて、和田岬に着く。着いた先は街の中。福地山線尼崎港駅(今はもうない)や鶴見線海芝浦駅みたいに、クレーンが林立するような所を想像していただけに、一寸拍子抜け。しかし駅自体は、昼間暇なだけあって、ボロいながらも手入れが行き届いていた。帰りの列車はガラガラ。民家の軒下をかすめながら、兵庫に戻る。

 姫路行に乗り換え。途中からどんどんすいてきたので「ラッキー」と思っていたら、小学生の団体が乗ってきた。ZAP! そう言えば、初めて一人旅した時も、こんな事があった。熊本から鹿児島へ。特急に乗ったはいいが、指定を取ったら小学生の団体の中にブチ込まれてしまった。あの3時間は長かったが、幸い今回は15分で済んで、ホッ。姫路着。ここの地下街には、安くて美味い店が並んでいるのだが、3分乗り換えでは如何ともしがたい。

 岡山からの吉備線は、中々の掘り出し物だった。低い山々の間を、ディーゼルカーが呑気に走って行く。てんきはいいし、暖かい。このあたりには古墳が山ほどあって、2日位かけてゆっくり歩き回りたい所なんだよね、本当は。しかし今は乗りつぶしの方が先。古墳めぐりは、老後の楽しみにとっておこう。総社から伯備線で備中高梁へ。伯備線も、2年前に高梁以北を乗ってあるので、今日はその落穂拾い。とはいえ、伯備線の車窓は高梁以北が楽しいんでねえ。空しい。高梁の街は、中心部に古い街並が残っているけど、12分の待ち時間じゃどうしようもない。ほとんど変わっていない駅前を眺めて岡山に戻る。

 岡山では29分あったけど、九州ワイドを買ったりしてたので、結局又岡山城も後楽園も見れなかった。岡山では7・8回は途中下車してるのに、いつもこれだよ。「ままかりずし」を買って宇野線に乗り込む。満員。宇野で宇高航路に乗り換え。これまた満員。特に宇高航路の方は、四国へ修学旅行に行く東京の高校生やら、ディズニーランドの紙袋抱えて四国に戻る高校生やらで大騒ぎ。制服からすると7校位いたようだ。ま、秋休みに旅すれば、修学旅行の高校生に出くわすのは覚悟の上だけど・・・。う〜む、しかしいいなあ。若くって。

 四国に入って「阿波11号」も満員。だが、何とか座席だけは確保した。ここいらが一人旅の強みだね。宇野線、連絡船と立ち詰めで疲れた。ままかりずしを食べて、ひと眠り。高徳本線は前に一度乗ったけど、あんまり大した車窓じゃなかった。香川・徳島県境で、岩山の間から一瞬だけ見える海のみの線だ。ちなみにこの時は、九州に廃止線を乗りに行くついでに大阪から和歌山へ出て、夜行フェリーで小松島に渡り、廃止予定の小松島線から高徳・宇高と乗り継いで岡山へ出た。この時小松島線に乗っておいたおかげで、今回1日少ない時間で四国が回れる。疲れなんてのは家に帰ってから癒せばいい。旅に出たら、やれることはやっておけ、とは長年かかって得た教訓。

 ふと目を開けると、真っ黒な雲、大粒の雨。あちゃ〜。池谷に着く頃には雨は一応止んだけど、今夜は大丈夫かねえ。鳴門線に乗り換え。外は既に闇の中。帰宅途中の高校生の話し声だけが聞こえる。鳴門は意外と大きな街。何も見ないですぐ引き返したけど、徳島駅の待合室で3時間もウダウダする位なら、街を歩いてくるんだった。もっとも地方都市は夜が早いから、残った所で何が出来たか知らんけど。

 牟岐線は、ドの付くローカル線だと思っていたけれど、結構家の明りが見えた。へ〜え。闇の中を2時間。徳島を出る頃には結構いた乗客も、終着牟岐の下車客は僕を入れて3人。僕は寝袋を広げ、残りの2人は迎えの車に乗り込んだ。雨は何とかなったようだ。あったかいけど、風が強い。ソテツの葉がザワザワとわめいている。

  


221 山陽本
222 吉備
223 伯備
224 鳴門
今日の新規乗車区間:124.1km  残り18線区:1200.9km