Big Island 旅行記 後編(2001.7.13-21)


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7月17日(火) 9時頃起床。昨日1日グ〜タラしたので体も回復しました。隣のホテルの売店でコーヒーとサンドイッチを買い、海を見ながらの朝食。

 本を読んで少し時間をつぶし、11時にちあき家へ。行ったら誰も居なかったけど、5分ぐらいしてちあきさんと彼女のお母様が帰って来ました。買い物に行っていた模様。「ちょっと待ってね」と言われ、しばらくネットサーフィン。それから出発。ちあきさんもハワイの田舎町での子育てでそれなりにストレスが溜まっている様で、お母様が来ているのを幸い、昔の友人(灯台)と出かけてストレス解消てなとこですな。

 11号線を南へ。キラウエアに向けて標高が高くなるに従い曇って来て、遂にポツポツ始まりました。キラウエアの国立公園は入るのに10ドルの入場料が要りますが、ちあきさんが年間パスを持っていたのでそのまま通過。まずはボレケーノ・ハウスと言う由緒正しいホテル(昔から結構有名人が泊まっているとか)のカフェテリアで昼食。でも、チリライスが2ドルと値段は安かったなあ。

 天気が良ければ窓の外にキラウエアの火口が見えるらしいのですが、残念ながら白い霧。まあ、雨の多いハワイ島東部でここまで好天続きだったのがめっけもんなんで、仕方ないか。食事の後、小雨の中を車ですぐのビジターセンターに移動し、10分の映画(キラウエアの噴火の記録)を見る。

 それから1kmほど先の噴気孔へ。最近のキラウエアの噴火口はもっと海岸近くに移動していて、ここは硫黄の蒸気とかが出ているだけですが、ここまで来たら良い天気になった。さっきの雨は何なんだ。目の前に大きな丘が。何だろうと地図を見たら、マウナロア(4,170m)でした。遠くにはマウナケアも見えていて、山頂の望遠鏡のドーム群もはっきり見えます。ここからマウナケアが見えるのも珍しいとか。やはり、灯台の日頃の行いが良いせいでしょう。

 余談ながら、ハワイ島の山は、とても富士山より高いとは思えません。山容が巨大なのと(マウナロアの体積は富士山の100倍とか。深海5,000mからそびえているので、本当の高さは9,000mを超すというのもあるんですが)、他に比べるものがないため、「大きいものは近くに見える」の法則で近くに見えるため、標高が高いと感じられない訳です。感覚的には、松本市内から見上げる美ヶ原の方がよっぽど高く感じます。

 閑話休題、車で更に進み、カルデラの反対側にあるハレマウナウの火口(直径900m、深さ400m)の淵へ。この辺も蒸気が出ていて、ちあきさんは硫黄に弱いとのことで灯台だけ外へ。この火口に熔岩が溢れた時の眺めはさぞ壮観だったろうな。

 
左:ハレマウナウ火口 右:熔岩帯を駆け下る道

 さて、本日のメインイベント、チェーンオブクレーターズロード。標高1,250mから海岸線まで、一気に下り降ります。道沿いには無数の火口が点在し、黒々とした熔岩原の中を駆け抜けます。この辺、運転はちあきさんだったのですが、H女史とは別な意味で恐いぞよ(爆)。伊達に学生時代「おくるまさん」と呼ばれていた訳ではない、と。

 20マイル程で終点。熔岩が道路を封鎖しています。ここから5マイルくらい先が、一昨日に北側からアプローチして行った所。この辺は18年前からの噴火がずっと続いていて、今は小康状態ですが、3年程前はここも赤々とした熔岩が流れていて、ちあきさんは目の前で見たそうです。今日は天気は良いのですが、風が非常に強いのが難点。しばらく熔岩歩きを楽しんでから車に戻り、再びキラウエアへ。

 
左:熔岩に遮られた道 右:熔岩のトンネル

 最後に、熔岩が作ったと言うトンネル(高さ2m、長さは今回歩いたのは200m程ですが、実際は海まで続いているとか)を潜り(この辺は植生が豊かですね)、ヒロへと戻る。ヒロでは、ちあきさんお薦めのビッグアイランドキャンディでお土産用のクッキーを買い、ちあきさん家で彼女を降ろす。色々お世話になりました。考えてみると今回会ったのは7〜8年ぶりのはず。次に会うのは何年後かなぁ。でもまあ、良い友達の間には、時間は関係ないのでしょう。

 ホテルに戻ったのは17時頃。シャワーを浴び、明日はチェックアウトなので荷物をまとめる。夕食は。ホテルの中華料理屋(ここは、ヒロで1番のチャイニーズレストランなんだそう)。料理を頼み、ほけっと外を見ていると、隣のテーブルに座った日本人3人組の会話が聞こえて来る。「摩周湖は観光地化されていて、ガッカリだったねえ。観光船乗ったけど、あんまり面白く無かった・・・」。他の事なら聞き流したんだろうけど、内容が内容だけに、北海道フリークの血が許さない。「あの〜、それ阿寒湖ですよ!!」

 それがきっかけで、「まあ一緒に食べましょう」と言っていただき、テーブルを移り、料理をシェア。おかげで、魚しか食べれないはずが、肉やらスープやらラーメンやらも食べる事が出来ました。やはり中華は多人数ですね。乱入させていただいて、多謝。3人は、現在ナニロアホテルで開催中の学会に来ているそうです。学会でハワイなんて良いなあ。

 3人の中の子ガメさんとはメールアドレスを交換し、部屋に戻る。冷蔵庫に残っていたビールを出して、23時頃まで読書。

*以下は、子ガメさんが当HPの掲示板に書き込んで下さったものです。

「子ガメ、マリモ秘話のおかげで灯台さんと出会う」の巻

 はじめまして!「Big Island 旅行記」の7月17日に「メルアドを交換した人」として紹介(?)されている子ガメです.灯台さんとひょんなことからメルアドの交換をすることになったのですが、帰国後、毎日のようにこのページを覗かせて頂いております.

 折角ですので、灯台さんと出会うまでの経緯でもお話したいと思います.ハワイの中華料理店で、灯台さんのお隣に座った我々は新婚旅行の話で盛り上がっていました.同席していたTさんは、ハワイに行かれたそうですが我が夫婦は鬼渋の道東巡り...

 というのも、夫は私が大のマリモ好きだと勘違いしており、阿寒湖見学を含む「道東−勝手に巡る旅−」を計画したのです.

 確かに、当時私はマリモ話をしていたのですが、それは西村知美ちゃんがラジオ番組の中で「ペットを飼っていますか?」との質問に「はい、マリモを少々...」と答えたことと「ペットの名前は?」と聞かれ「1マリモ(いちまりも)、2マリモ(にまりも)、3マリモ(さんまりも)」と宣うていたという、あまりにも印象的な事件に遭遇したからなのです.というわけで、勘違いから始まった道東旅行ですが、我々夫婦は、たったの5年前であるにも関わらず、旅行の記憶を失いかけており、阿寒湖と摩周湖を勘違いしていました.
 
 「マリモ見学の後は遊覧船で摩周湖を...そう言えば霧の摩周湖が流れてたよね...」というくだりで灯台さんに「それは阿寒湖ですよ〜」とご指摘をいただき、その後は四方山話に花が咲き、(実は灯台さんのTシャツが目をひきました)メルアド交換と相成ったわけでございます.

 以上、「子ガメ、マリモ秘話のおかげで灯台さんと出会う」の巻でした.ではまた!!!


7月18日(水) 7時起床。シャワーを浴びて荷物をまとめ、ホテルをチェックアウト。荷物を車に乗せ、8時に発進。11号経由でコナを目指す。キラウエアまでの30マイルは昨日来た道。キラウエアの辺りはまた小雨だったけど、そこを過ぎたらまた晴れて来た。右手にマウナロアを望みながら、ゆったりと下る長い長い道。車も少なくて、快適なドライブ。辺りは見渡す限り広大な熔岩帯。ハワイ島は全ての造作が大きいねえ。

 ナアレフの小さな町を過ぎるとワインディングが続く。そしてサウスポイント(ハワイ島=USAの最南端)への分岐を左に見ると、道は北上を始める。だんだんと家が増え始め、段々と車が増えはじめる。

 コナ着11:30。125マイル(200km)を3時間半なら良いペースか。ノンストップだったしね。チェックインにはまだ早いし、車を置いてコナ・ブリューイング・パブで昼食。ピザを食べながら出来たてのビールを飲む。ヒロのMEHANAは、ビールは良いけどエールは南の島で飲むにはちょっと重かったけど、ここのは割合軽くて気候にあってるんじゃないかな。もっとも、8種類ある中で飲んだのは2種類だから、全部軽いかは分らないけど。

 ホロ酔い気分で海沿いのメインストリートを散策。500mに渡って、ホテルやレストランや土産物屋が立ち並んでいる。もっとも、閑散とした雰囲気はここにもあって、人口が少ないのは否めないなあ。ウォルマートが見えたのでそちらにも行ってみたが、思ったよりも距離がある上に登り坂で汗をかいてしまった(コナはあまり平地が無く、海に向かって結構急な坂になっている)。ウォルマート自体はヒロと大差なくてつまらなかった。向いのボーダーズ(本屋)に入り、コーヒーを飲みながら涼む(アメリカの本屋には喫茶コーナーがあって、店の一角にセルフのコーヒー/スナック売り場と机/椅子があるのです)。

 
左:モクアイカウア教会 右:今回泊まったコナ・ビーチホテル

 時刻が15時になったので、車に戻り、ホテルへ。チェックイン後、シャワーを浴びてちょっと昼寝。それから明日の夜のサンセットクルーズを予約。17時過ぎ、再びメインストリートをぶらぶら。レストランは沢山あるけど、ハワイで日本食やタイ料理を食べる気にもならないなあ。奥の方に食堂があって、店の作りは中華風だけど、メニューはとんかつ定食とか日本的だった。で、メニューにロコモコを見つけて頼む。美味い! 安いし(7ドル)。灯台は貧乏人の生まれなので、本質的にこういうB級グルメの方が好みなんだよねえ(笑)。

 ABCショップと言うコンビニの大きなのみたいな店が何軒もあり、その内の1つでパイナップルワインを買ってホテルに戻る。南国風で美味しいかと思ったけど、パイナップルの苦味が口に付いて、イマイチでした。ハーフボトルにしといて良かった(ハーフ6ドルなのに、フルボトルはセール中で8ドルだったので、どっちを買うか迷ったのでした)。


7月19日(木) 8時起床。海の方は晴れているけど、山は曇っていて見えないのがコナの天気の特徴ですね。ハワイ島に着いた日もそうだった。昨日、チェックインの時に朝食のチケットをもらったので、レストランでバフェ(バイキング)の朝食。あんまり品数がないけれど、タダなんだから仕方ないか。

 部屋に戻り、水着に着替え、本を持ってプールへ。プールサイドでチェアに寝そべり本を読む。暑くなってきたらプールでひと泳ぎ。そしてまた読書。やっぱりリゾートはこうでなくちゃね。今日読んだのは「物語 エジプトの歴史」。クレオパトラまでのエジプトの歴史です。エジプト史は長い上に途中で何回も王朝が交代するのでかなりややこしいのですが、この本はその辺がきれいに整理されていて面白かったですね。

 2時間半で読み倒し、部屋に戻る。そろそろ昼食にしようか。ガイドブックに載っていた中華料理の店でバフェ(8ドル)。やっぱり中華は日本人の口に合いますね。明日は帰国なので、土産物屋をぶらぶら。日本人観光客もそれなりに来てるから、土産物の結構種類があるんだけど、これってのはないなあ。で「Symphony」と言うハワイ島産のワインを1本購入。

注:7種類ぐらいあるんですが、そのうち5種類は果汁が入っていて、ワインと言うよりアルコール入りジュースですな。2種類はブドウだけで作った本当のワイン(白)で、そのうちの「ドライ」を購入。日本に却って飲みましたが、良く言えばスッキリ。悪く言えばコクが無い。

 ホテルに帰って荷物整理。それからお昼寝。起きたのは16時頃。ホテルの1Fでコナ・コーヒーを一杯。普通「コナ・コーヒー」と言って売ってるのは、良く見ると「コナブレンド」で。実は10%位しかコナ産の物は入ってません。生産量が少ないので、100%モノは高いんですよね。でもまあ、折角コナまで来たんだからと100%ピュアを注文。う〜ん、すごく上品なんだけど、ちょっと物足りないかなあ。何せ、マンデリン好きなもので。

 サンセットクルーズはホテル裏に17時集合。暇なので、20分前に行って並んでいたら、西日が肌を刺す。やっぱり紫外線が強い。でもまあ、夕陽は見えそうだね。山が相変わらず雲に隠れているのが残念だけど。17:15出航。

 船は、周囲に海を向いたカウンターがあり、中の方は20人ぐらい座れる大きな掘り炬燵状の席が6つ(3×2)ある。で、生バンドのに合わせて、掘り炬燵の中央でダンスがあると言う趣向。もっとも、ハワイアンというよりはポリネシアンダンスだねえ(フラも少しはあったけど)。まあ、観光客には判らないか。何人かのお客さんが捕まって、仮装させられて踊らされていた。

 1時間ほどして夕食タイム。大皿に肉やサラダが出て来て、みんなで取り分けて食べる。味はまあまあレベルだけど、この船はシチュエーションを楽しむものだしね。それから叉ダンスタイム。今度はお客さんも一緒に。ただ、そろそろ日没なんで、灯台はそちらに張り付いてました。19時、水平線の上に雲があって、その中に日が沈む。19:15帰港。

 はあ、旅も終わりだなあ。少しメインストリートを歩いたけど、あんまり人気が無い。さすがハワイ島。ホノルルは午前0時過ぎても眠らないらしいけどね。どっちが良いかは、これはその人次第でしょう。ホテルに帰ってシャワーを浴び、ビールを片手にTVを眺める。


7月20日(金) 7時起床。昨日と同じく、タダ券で朝食。荷物の最終パッキングをして、8時チェックアウト。空港までは6マイル、出勤時間だから混んでるかと思ったらそうでもなかった。初日と同じ、植物のない熔岩地帯を通って空港着。結局、全部で500マイルくらい走ったか。レンタカーを返し、JALのカウンタでチェックイン。

 ここで気が付いた。チケットの10:15はボーディングタイムで、出発は11時だった。成田発の方は出発時間が書き込んであったのにぃ。2時間半もあるのか。さてコナ空港。ローカルとは言え、クーラーの効いた待合室位はあるだろうと思ったのが甘かった。待合室と言うか待合所は四阿(あずまや)風で、屋根はあるけど壁は無い。当然、クーラーもない。ひえぇ。カフェテリアはクーラーが効いてるので、ニューススタンドで日本の新聞(衛星版、5ドル!)を買い、カフェテリアに入ってコーヒーを注文。ちびちび飲みながら時間を待つ。

 さすがに2時間半はつぶせず、カフェテリアを出て、四阿の下へ。他の航空会社の飛行機が飛び立って行くけれど、日本なら車で引き出して(バックして)から動き出すけど、ここでは片翼のエンジンだけを吹かして、その力で「ウリッ」とUターンして出て行く。当然、待合所にもエンジンの排気と轟音がやってくる。荒っぽいなあ。

 
左:コナ空港の待合所 右:飛行機から見たカホオラウエ島

 10時半、搭乗開始。11時、定刻にテイクオフ。行きは直行便だったけど、帰りはホノルル経由。2階席最前列右側の窓際だったので、ハワイ諸島が良く見える。低空の雲の上に出ると、マウナケアの勇姿。そしてマウイ、カホオラウエ、モロカイ、ラナイ。島々が近づいては遠ざかってゆく。

 35分でホノルル空港着。彼方に高層ビルが林立しているのが見える。さすがにオアフ島だな。ハワイ島にはせいぜい10階建てしかないもんな。全員1回降ろされる。もっとも、お客の6割はここで入れ代わるみたい。1時間あったので免税品店をのぞいたけど、結構ショボイ。観光客は街中の免税品店を利用してしまうのかな。

 買うものもなかったので、待合室に戻る。周囲はホノルルから乗って来る人々だけど、行きのコナ行きに乗っていた人達とは明らかに人種が違うなあ。老いも若きも、よくもまあこれだけ「中身が何も無いのが顔に表れている」連中を集めたもんだ。ま、これだけ海外旅行が一般化して、行き先の選択肢も数多くある中、わざわざホノルルにやって来る連中だから、当然と言えば当然か。再び飛行機に搭乗し、13時半テイクオフ。ここで時計の針を19時間進める。今は21日の午前8時半。


7月21日(土) 偏西風が弱かった事もあり、成田にタッチダウンしたのは定刻より20分早い15:50。荷物が割合早く出て来たので、16:25には税関を突破。「ビアマウント高尾」が今日に設定されたのは、元はと言えば灯台に原因があるのだし、顔を出すかなあ。

 JRの特急は既に満席。立席でもと思ったけど、窓口は長蛇の列。反面京成は窓口がガラガラの上にスカイライナーは空席あり。で、京成へ。16:42のスカイライナーで日暮里へ。山手線に乗り換えて秋葉原、総武線に乗り換えてお茶の水。5分待ちで中央線の特快が来た。高尾でも京王のホームに上がったとたんに電車が来て、結局高尾山口のケーブルカー乗り場に着いたのは19:05。こんなに乗継ぎが良いのも珍しい。

 さて、村長達は上で飲み食いしているはずなので、ケーブルカーを上がって合流と思いきや、「今日は大混雑で、まだ100人以上が上で入場待ちをしている」とのこと。ありゃあ。上に上がってもビアガーデンの中に入れないんじゃしょうがないなあ。

 手帳の村長の携帯番号は古いもので使えず。せっちゃんの携帯にかけるも、荷物の奥にでも仕舞ったのか、出てくれない。まあ、17時集合と言ってたから、17時半には入ったろ。2時間制だから19時半に出たとして、下に降りて来るのは20時前。それまで待つか、と腰を降ろす。その前では、引っ切りなしにやって来るお客が駅員の説明を聞いてすスゴスゴと引き返して行く。

 19:50にせっちゃん1人が降りて来た。他の連中は18:20に入場したので、まだ降りて来ないとのこと(せっちゃんは最終「のぞみ」で神戸に帰るため、先に切り上げた)。降りて来るのは20:40頃か。既に1時間近く待ったし、この上待つのもしんどいので、帰る事にする。

 高尾駅で「のぞみ」の指定席を買いに出せっちゃんが乗り遅れそうになる1幕もあったけど、何とか間に合った。雑談をしながら1時間弱。お茶の水で特快を下車し、家に向かう。