乗鞍岳春スキー記 1999 
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 7時に朝食をいただいて、荷物の点検をした後、7:45に「さつ木荘」を出発。歩3分ほどの「番所大滝」のバス停でバスを待つ。8時、時間通りにバス到着。「おお、すいてるじゃん」と思ったら、観光センター前のバス停には満員のバスが1台と、乗り切れないお客さん。で、そのお客さんをこちらに乗せて出発。国民休暇村でも少し乗ったので、三本滝ではズラッと並んでいるにもかかわらず、4人しか乗れなかった。位ヶ原山荘でお客を降ろした後、再度三本滝に戻るとのこと。三本滝までは一般車が入れるし、今の時期ならスキーで下りて来れるし、確かにここまで車で来るのは間違いではないけれど、登り始めが1時間遅れるのも辛いやね。ここからは先は一般車通行止め。バスは右に左にカーブを切りながら標高を上げていく。やがて、道端には雪がチラホラ。そして、段々量が多くなり、やがてはバスの背をも越える雪の回廊になるころ、標高2300mの位ヶ原山荘着、午前9時。大きな除雪車が止っていた。
 

 登山靴の紐を締め直して出発。ほとんどの人はスキー靴で登っているけれど、灯台は革の軽登山靴+スパッツ。ザックの中にはスキー靴+ブレードと言う装備。で、いきなり標高差100mの急登(写真ではあんまり分からないかも知れないけど、かなりの傾斜です)。快晴の天気の下、ゼイゼイと息を切らして汗をかきかき登って行く。登り切って休憩。あ〜、体力落ちてるなあ。ここからは傾斜がなだらか。しばらく行くと道路が露出していて、小さな小屋がある「肩の小屋口」に着く。再び休憩。水をあおり、チョコレートを口にする。
 
 

 ここから先は再び急登。朝日岳(2975m)と蚕玉(こだま)岳(2979m)の間の鞍部を目指して登って行く。だんだん気温が下がって来て、ついでに風も強くなった。手袋やジャンパーを取り出して着る。右手の摩利支天岳(2873m)と太陽コロナ観測所が、段々低くなっていく。上空には、グライダーが一機旋回している。風が強いけど大丈夫なのかねえ。



上:肩の小屋口から見た乗鞍岳(剣ヶ峰・左、蚕玉岳・中、朝日岳・右)
下:摩利支天岳(2873m)と乗鞍太陽コロナ観測所          

 さすがにこの辺から山バテマンとなってきた。20歩登ってはゼイゼイ。30歩登ってはゼイゼイ。気温が低く、雪が締っている。ちょっと油断するとズルっといく。軽アイゼンを出して着けようかとも思ったけど、めんどくさいや、みんなスキー靴なんだし、でそのまま登る。
なんとか蚕玉岳を登り切って小休止。そして、ちょっと下ってから剣ヶ峰(3026m)への最後の登り。これが結構辛い。やがて、小さな社のある山頂に着いた。11時半。2時間半かかったか。しかし、展望は最高。北ア、御岳が手に取るよう。疲れたけど、でも休日はやっぱりこうじゃなくちゃね。ザックからビールを取り出し乾杯。それから昼食。写真撮影。


剣ヶ峰から望む北ア南部
(手前は摩利支天岳)

 さて、そろそろ下るとするか。登山靴からスキー靴へと履き代え、ブレードを取り出し、荷物をザックに押し込む。ちょっと下った所でブレードを履き、いよいよ大滑降。雄大な景色を眺めながら、急斜面を下る。なんか、ちょっと勿体ないなあ。で、肩の小屋口まで滑り下りた。同行の○山は、このまま三本滝まで下ると言う。こっちはちょっと疲れてしまい、いいや、位の小屋で。で○山と別れ、しばし休憩。ここまで来ると風もないし、陽光が暖かい。しばらく昼寝をしたい気分。

 しばらく休憩した後、再び滑降。林の中に入ったりと、ゲレンデスキーでは味わえない楽しみを満喫し、位の小屋へと戻ってきた。空にはふわふわと白い雲が浮かび、雪面に落ちる影が面白い。朝はなかった雲が出てきた所を見ると、明日は天気は下り坂かな。ともあれ、天気が良くてよかった。お客が集まって来たので、帰りのバスは予定よりより早く2;15に出た(トータル3本出すとの事で、3本目は時刻表通りとか)。三本滝で○山も合流。矢印がしっかりしてて、迷う心配はなかったとか。ただ、今の季節は三本滝まで下りて来れるけど、雪が溶けてくると歩く距離も長くなるだろうとのこと。こいつも、貸スキーで借りた板を肩に担いで(ほとんどの人はザックに固定している)登った訳だから、考えてみるとよくやるわ。「さつ木荘」に戻ったのは3時半。テレビテレビ。天皇賞は名勝負だったけど、灯台の買ったセイウンスカイは3着で残念。そのあと温泉で「たれパンダ」になった後、おいしい夕食をいただく。空席もちらほら。上高地に行った人がまだ帰って来ないとか。GWに大混雑の上高地に行く位なら、位の小屋の周辺でBBQでもやった方がよっぽどいいのにねえ。今日は疲れたし、21時半には熟睡モード。